ICL手術のリスク・失敗例を眼科医に聞いてきた【体験ブログ②】

ICL体験談
こんな疑問にお答えします
  • ICLのリスクや失敗例を知りたい!
  • ネット検索で出てこないような、眼科医の生の意見を知りたい!

ごきげんよう、小坂です。  

先日、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の適応検査を受けてきました。

この記事でわかること
  1. ICLのリスクや失敗例
  2. ICLを受ける際の注意事項や禁止事項
  3. 無料で検査を受ける方法

はじめに

私は今回の適応検査を受けるまでに、インターネットを中心に、数ヶ月にわたってICLの情報を集めていました。それでも疑問や不安がたくさんありました。

今回は、インターネットでは調べきれなかったことリスクや失敗例について、眼科医の先生に質問をぶつけてきました。

この記事は、あくまでも患者側の視点で書かれたものです。筆者は、専門的な知識を持った医療従事者ではありません。詳細や最新の情報は、必ず病院のホームページなどで確認してくださいね

少しでも、ICLを検討しているみなさんのお役に立てるとうれしいです。ぜひ最後まで目を通してみてください。

病院の場所

今回質問に答えていただいた病院は、東京都港区にある山王病院アイセンター(山王病院の眼科)です。

眼科医の先生への質問と回答(Q&A)

適応検査の診察時に、たくさんの質問に答えていただきました。 

準備していった質問が多く、インタビューのようになってしまいましたが、先生は「分からないことは何でも聞いて、不安は残さないでください」と、丁寧に答えてくださいました。どうもありがとうございました!

検査結果は人によって違うと思いますが、今回は私個人のデータを参考としてそのまま記載します。

それでは、Q&A方式でさっそく見ていきましょう。

基本情報 

Q. ICL手術を受けたら、視力はどこまで回復する?

A. 現在の裸眼視力は0.03。矯正後1.5以上に回復するポテンシャルはある。

1.0くらいまで上がれば良いなと思っていたので、これは嬉しい。

Q. 色々な呼び方がインターネット検索で出てきたけど、違いは?(眼内コンタクトレンズ、フェイキックIOL、ICL、有水晶体眼内レンズなどなど…)

A. IOL(IntraOcular Lens)は「眼内レンズ」の略。

  • アフェイキック(無水晶体)IOL : 白内障手術で水晶体を除去しレンズを入れる。
  • フェイキック(有水晶体)IOL:言葉の通り、水晶体を残したまま、レンズを目の中にいれる治療。ICL(implantable collamer lens)は、フェイキック(有水晶体)IOLの種類。

今回受けるのはICL手術。

Q. レーシックとの違いは?

A. レーシックの場合、人によっては視力の変化が大きい(視力が戻ってしまう)。また、角膜を削るので、何かあったときに元に戻すことができない。

ICLはレンズを眼内に入れてしまう。レンズの度数が勝手に変わることはないため、視力の低下はほぼない。万が一何かあっても、レンズを取り出し、完全ではないが元に戻すことができる

数年前はレーシックが最先端の治療法だった。2010年に厚生労働省の認可が下りてから、山王病院ではレーシックが全てICLになっている。レーシックでは対応できない強度の近視や乱視にも対応しており、現在はICLを勧める。

リスク・失敗例

Q. ICLをした後、視力は低下しない?

A. 回復した視力は、通常は半永久的に持続する。その人の生活習慣によって、わずかに変動する可能性はあるが、視力が著しく低下した例はない。

Q. 再手術になってしまった症例はある?

A. 乱視用レンズが回転してしまい、再手術した例が1件だけある。原因は目を強くこすったため。その時はレンズのサイズ変更で対応した。※乱視の矯正はレンズの位置・角度が重要

現在は、乱視患者に合わせたレンズサイズのデータ、経験値が上がり、それ以来1件も起きていない。

Q. 感染症になった人はいる?

A. 過去に例がない。ルールを守っていれば大丈夫

  • 清潔に保つこと
  • 処方された目薬をしっかりさすこと
  • シャワー、運動など、禁止事項を守ること

Q. 角膜内皮細胞の減少の影響は?

細胞数が減ったというレーシック患者の情報がネットで出てきたのだが…

A. 細胞数は通常2800以上。多少の前後はあっても極端に減ることはない。700以下にならなければ問題ない。

Q. 老眼鏡は必要になる?

A. 老眼は40歳過ぎから、ICLする、しないにかかわらずほぼ全員がなる。老眼鏡が必要になるのは仕方ない。

Q. ICLをしたら、白内障のリスクは上がる?

A. かつては眼圧の上昇を防ぐため、虹彩の切除(虹彩にレーザーで穴を開けていた)が必要で、それにより合併症、白内障のリスクが大きかった。現在は穴あきレンズ(Hole ICL)が開発され、リスクは軽減されている。※レンズ中央に0.36mmの微小な穴が開いている。

Q. 白内障になった場合は?

A. 老眼と同じで、白内障もICLする、しないにかかわらず長生きすれば誰しもなる。白内障になった場合でも、ICLレンズを取り出し、白内障の手術が可能。ICL手術自体、白内障の手術と仕組みがよく似ている。

Q. レンズに関するトラブルはある? 破れる、濁る、穴が詰まるなど。

A. レンズが濁ったり、破れたりしたことはない。

通常のコンタクトレンズは、ホコリや目やにが付くが、ICLは目の内部に入れるので汚れない。20年経ってもピカピカ。レンズの穴が見えることもないので、視界に影響はない。

光を見たときに、光の輪が見えるハロー・グレア現象があるが、大抵の人は慣れる。日常生活に支障は出ないレベル。

Q. 先生ご自身、ご家族のICL経験は?

A. 家族は近視が弱いので未経験。医者でやっている人は何人もいる。

※あとでナースさんにも聞いてみましたが、別のナースさんや外科の先生が何名か、山王病院でICLを受けられているそうです。みなさん術後の結果は良好だそうで、ひと安心

将来的な展望

Q. 今後数年での技術の進歩、機能の向上の可能性は?

A. 現在のICLはほぼ完成した技術なので、数年での革新的な技術向上は考えにくい。

Q. 今後数年で価格が下がる可能性は?

A. 数年で大きく変わることは考えにくい。価格はレンズ代が大半を占めている。その他は手術費用や検査代。

アメリカのスターサージカル社(STAAR surgical)のレンズを使用している。最近は、より安価なインド製のレンズも出回っているが、山王病院では使っていない。

手術前・手術当日について

Q. 術前検査の所要時間は?

A. 手術前の大切な検査なので、3〜4時間かかる。この検査で、レンズの度数や種類を決定する。

今まで起きたことはないが、手術中に発作が起きるリスクなどを把握するため血液検査、検尿、心電図も行う。検査結果が良好でないと、手術室に入れないという病院の決まり。

この辺のルール整備、管理はしっかりしている印象を受けました。

Q. 術前検査の注意事項は?

A. 下記項目に注意

  • ソフトコンタクトレンズは術前検査の朝から装用不可
  • ハードコンタクトレンズは7日間装用不可
  • 検査当日はメガネ
  • 運転での帰宅は不可(術前検査の薬の影響が1日継続し、まぶしさ、かすみ、ぼやけなどの影響があるため)

Q. 手術前の注意点は?

A. 下記項目に注意

  • 手術3日前から、処方された目薬を1日4回点眼
  • 施術に影響が出たら困るので、前日の深酒は控える

Q. 手術中の痛みはある?

A. 点眼麻酔(目薬)のみで、通常は痛みは感じない。不安な人は、別料金3万円がかかるが、笑気麻酔を使うことができる。(子供の治療、出産、脱毛などで使われる麻酔)

術後について

Q. 術後の注意事項は?

A. 手術が無事に終了しても、しばらくは目に小さな傷が残っている。傷から感染が起こらないようにすることが最重要。

  • 目をぶつけたり、転ばないように注意。特に手術当日は見え方が不安定なので、段差などに注意
  • 目を強くこすらない
  • 目薬を欠かさない

Q. 術後の禁止事項は?

A. 日常生活の目安は下表の通り。

入浴・シャワー術翌日から
仕事(デスクワーク)術翌日から
洗髪・洗顔・メイク術後4日以降から
飲酒術後4日以降から
運動術後1週間後から
まつ毛エクステ術後1週間後から
カラーコンタクトレンズ術後2週間後から
車の運転夜間の見え方見え方が安定してから
水泳(プール、海)術後1ヶ月後から

Q. 術後、3日間は髪を洗うことができないが、水泳のゴーグルを付けてシャンプーしてもいい?

A. ゴーグルが目を圧迫することになるのでダメ。

どうしても髪を洗いたいときは、美容室はOK(美容室のシャンプー台なら体が横になり、水が目に入る心配がないため)。首から下のシャワーは、手術当日からOK。

ゴーグル作戦はナイスアイディアだと思ったのですが、逆効果でした(笑)

Q. 術後、やっぱり運動はダメ?

(運動禁止と言われているのに、しつこく聞いてごめんなさい笑)

A. 汗やホコリが目に入る可能性がある。軽いジョギングや筋トレも、汗が出るので控えてください。

Q. 術後、格闘技はできる?

A. 術後1ヶ月経てば運動制限はない。スキューバダイバーや格闘家でICLを受けた人もいる。

まとめ

今回先生に回答していただいたQ&Aは以上です。

ICLを検討しているあなたの参考になれば嬉しいですが、一部意訳や、個人差があることも含まれていますので、正確な情報は必ず医療機関に確認してください。

無料相談できるクリニックもある

今回私が行った山王病院では、2,260円で適応検査をしてもらいました。(※私は初診だったので、価格には個人差があります。)

もしかするとみなさんの中には、「手術をするかどうかも分からないのに、検査だけでお金を払うのはちょっと気が引けるなあ。」という方もいるかもしれません。そんな方には、無料検査してくれるクリニックをオススメします。

私は適応検査から有料の山王病院で受けましたが、まずは無料検査できるクリニックに行ってみて、情報収集したり、病院の雰囲気を比較したりするのも有りだったかなと思っています。

大事な大事な目のことです。疑問は残さずに、すっきりした気持ちで決断することが大切です。

私自身も今回、先生と直接お話しさせていただいたことで、ICL手術を受ける決心がつきました。

まずは無料相談で、不安なこと、疑問に思うことを色々聞いてみましょう。

無料WEB予約は下記リンクからどうぞ

次回は術前検査

さあ、次回は大切な術前検査です。

また何か動きがありましたら記事にするか、twitterで報告します。

それではみなさま、ステキな裸眼ライフを〜(^O^) 

つづく。

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